今回は、Googleが新たに発表したStyleDropというツールをご紹介します。
まずはこちらの画像をご覧ください。
このように、一枚の画像を元にそのスタイルを学習させ、一貫したスタイルを適応できるというものです。
今までもさまざまな便利なAIツールがありましたが、このツールはなかなか衝撃的です。
デザイナーやイラストレーターに影響があるのは勿論ですが、そうでない方でも見ておいて損はない情報かと思います。
それでは具体例と共に、もう少し詳細を見ていきましょう。
一枚の画像から、類似するスタイルを抽出
左の黄色い枠で囲まれているのがサンプルとなる花の絵です。
これを学習させて、例えばペンギンの赤ちゃんという指示を出すと、このような画像が生成されるようです。同じように、バナナやベンチなどもうまく表現してくれています。
もともとの絵の雰囲気を維持しつつ、ペンギンを出力しているのがわかると思います。
他にもいくつか例があります。例えばこちらの例を見てみましょう。
海外の素材サイトなどでよくみかけるようなスタイルですが、こちらもかなり一貫性を保ちながら、絵を出力してくれています。
この機能が使用できるようになり、商用利用などもできるのだとしたら、フリー素材なども本当に必要がなくなってしまうかもしれません。
この機能のヤバさが少しは伝わったかと思います。
今まであれば、類似スタイルを学習するには数十枚の画像が必要でしたが、StyleDropでは一枚の画像だけで学習ができてしまうようです。
こちらのステッカーなんて、かなり実用的ですね。
アイデアさえあれば、誰でも商品にすることができてしまいそうです。
フォントでも再現できる
また、このようにフォントを作成することもできるようです。
少し前に、ディープフロイドというツールがAI界隈では話題になっていました。しかし、StyleDropの方が、より綺麗に、さらに元の画像スタイルをしっかり継承してフォントを作成してくれます。
デザイン業界にとって衝撃的なツールであることは間違いないとは思いますが、そうでない方も使い道は色々とありそうです。
先ほどの画像からも、このようにテキストを再現できています。
他のツールとの精度比較
下の方にいくと、他のツールとの比較があります。
こちらが参照に使った画像で、どのように適用されるかを比較してくれています。
StyleDropはこのように、もともとの参照画像のスタイルをほぼ完璧に再現してくれているのがわかると思います。
その他のツールの結果はこんな感じです。
ある程度の再現性はありますが、背景色や色味のばらつきが多く、とても一貫性のある画像とは言い難いです。
もちろん、それでもすごい機能なんですが、このStyleDropの登場によって、その基準が大きく変わりそうです。
冒頭でもお伝えしましたが、このツールはまだ一般公開されていません。
しかし、いずれは使用できるようになると思うので、例え有料のサービスだったとしても、その価値は大いにあるようなツールかと思います。
AIが進歩すると、類似する業種のかたの仕事が奪われる、というイメージが先行しますが、デザイナーの方々はこれらのツールをうまく活用すれば、かなり要領が良くなるように思えます。
また、デザインなどとは一切無縁だった人でも、AIの力を借りれば、アイデアさえあれば誰でもチャンスを掴める可能性があるかもしれません。